こんにちは。代表の赤野です。
午前四時。まだ夜明け前の静けさの中、遠くから太鼓の音が響きはじめました。
倉敷市玉島の乙島祭りの幕開けを告げる音です。
この瞬間に立ち会うたび、胸の奥が熱くなります。
朝の宮入りから始まり、神社を出て乙島の町を練り歩き、
夕暮れを迎えて再び宮入りをする――。
一日をかけて地域が一体となる、乙島の大切な伝統行事です。
この祭りは、なんと700年もの歴史を持ち、
世代を超えて受け継がれてきた人々の思いと、地域の絆の深さを改めて感じます。
担ぎ手たちの掛け声、沿道から響く拍手――
そのすべてが、乙島の人々の誇りと信仰の証のように思えました。
平成の改修の際、当社がその歴史ある神社の改修工事を担当させていただきました。
長い年月、地域の中心として人々を見守ってきた神社に携われたことは、
誠に光栄であり、同時に大きな責任を感じる仕事でした。
工事の過程で、社殿に漂う木の香りや、先人たちの手仕事の跡に触れるたび、
職人の技と信仰の深さに、改めて敬意を抱かずにはいられませんでした。
そして、毎年行われる乙島祭りを迎えるたびに、
改修を終えた神社が地域の人々とともに息づいていることを感じます。
その姿を目にするたび、胸にこみ上げるものがあります。
これからも地域とともに歩みながら、
乙島という土地に息づく心を、次の世代へと受け渡していけるよう、
誠実なものづくりを続けてまいりたいと思います。


